製品のトレーサビリティ確保を実現する「PhotoSnap」

英語で「トレーサブル(traceable)」と言えば「追跡することができる」という意味ですが、ものづくり分野ではこの言葉が「製品が作られてきた過程を追跡することができる」、つまり「それぞれの製品が、いつ、どこで、誰によって、何から、どのように作られてきたかを知ることができる」という意味で使われています。製品にトレーサビリティを与えると、製品を購入するお客様に安心感をもたらすことができますし、万一製品事故が発生しても責任の所在を明確にすることができます。

「PhotoSnap」は、このようなトレーサビリティを実現するために開発されたカメラシステムです。製品や部品が流れていく経路に沿っていくつものカメラを設置し、一つ一つの製品が作られていく過程を写真に記録していきます。撮影された写真は所定の保管場所に自動的にアップロードされ、撮影時に付加される「見出しタグ」を使って後から簡単に検索することが可能となります。

(1)多様な製造現場に導入することができること、(2)運用にあたって現場の負担を増やさないことの二つを特に重視して設計された「PhotoSnap」は、工業製品のトレーサビリティ確保を目指す各種のソリューションの中で、最も簡便に導入することができるものの一つと言えましょう。


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「PhotoSnap」のシステム構成

「PhotoSnap」は、製品や部品の写真を撮影するカメラシステム「MultiSnap」・「HandySnap」と、撮影した写真を管理・閲覧するビューワシステム「PhotoBook」、それにネットワーク、周辺機器などで構成されています。この構成は、お使いになる環境に応じてフレキシブルに変えることができます。


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特長1:手動撮影・自動撮影の両方に対応

パソコンをベースとする「PhotoSnap」は、用途・目的に応じたカスタマイズが自由自在です。写真撮影のタイミングについては、作業員がパソコンを操作して手動撮影するだけでなく、バーコード/ICタグの読み取りや機械の動きに合わせて自動撮影することもできます。

撮影方法 説明
手動撮影 「PhotoSnap」の画面にある「撮影」ボタンが押された時に撮影します。
スイッチとの連動撮影 「PhotoSnap」パソコンに接続されているスイッチが押された時に自動撮影します。
センサとの連動撮影 「PhotoSnap」パソコンに接続されているセンサが動作した時に自動撮影します。
バーコードリーダとの連動撮影 対象物に印刷されているバーコードが読み取られた時に自動撮影します。
RFIDリーダとの連動撮影 対象物に取り付けられているICタグが読み取られた時に自動撮影します。
PLCとの連動撮影 PLC(機械制御用コンピュータ)が信号を出力した時に自動撮影します。

特長2:使い方に合わせて選べるハードウェア構成

使用方法に合ったパソコンやカメラを選ぶことができるのも「PhotoSnap」の大きな利点です。ラップトップ型/デスクトップ型のパソコンと複数のカメラを生産設備に固定して使うだけでなく、カメラの付いたタブレット型のパソコンを手持ちして使うこともできます。 写真撮影のソフトウェアには、据え置き使用に適した「MultiSnap」と、持ち運び使用に適した「HandySnap」の2種類を用意しました。用途や目的に応じ、最適な構成を選ぶことができます。

撮影ソフトウェア 「MultiSnap」 「HandySnap」
パソコンの種類 据え置きタイプ (デスクトップ型/ラップトップ型) 持ち運びタイプ (タブレット型)
カメラの接続数 1〜4台 1台(パソコン内蔵カメラ)
操作方法 マウスで操作 タッチパネルで操作
撮影タイミング 画面操作(ボタンのクリック)
外部機器との連動
画面操作(ボタンのタップ)

特長3:写真の自動アップロードと集中管理

撮影した写真は、あらかじめ決められた保管場所に自動的に転送されます。そのためディジタルカメラのように、撮影した写真をいちいちパソコンに移動させ、その都度整理する手間がありません。信頼性の高い通信方法を採用し、すべての写真が一つの場所に確実に集められる仕組みになっていますので、撮りためた写真の保存や管理も簡単です。アップロード方法としてSMB・FTP・JSPの3とおりを用意しており、お使いのネットワーク環境に合わせて最適な方法を選ぶことができます。

アップロード方法 説明 汎用性 速度
SMB Windows標準の通信方式でアップロードします。
FTP 国際標準の通信方式でアップロードします。
JSP 弊社独自の通信方式でアップロードします。

いずれのアップロード方法でも、通信が不慮に切断された時には、再度のアップロードを試みる仕組みになっています。通信状態が不安定な環境でも、何度も粘り強くアップロードを試みますので、個々の「PhotoSnap」が撮影した写真を確実に1ヶ所に集めることができます。

特長4:写真整理を不要にする強力な検索機能

カメラシステム「MultiSnap」・「HandySnap」は、撮影された写真に検索用の情報「見出しタグ」を自動的に付加します。ビューワシステム「PhotoBook」では、見出しタグを活用する検索機能を使い、目的の写真をすばやく見つけることができます。そのため撮影するたびに写真を整理する必要が一切ありません。見出しタグの項目はカスタマイズすることができ、生産現場に独自の項目を追加して写真の検索に役立てることも可能です。

タグ
撮影者に関するタグ 氏名、社員番号
所属部署
撮影場所に関するタグ 工場、工程ライン、ショップ
撮影対象物に関するタグ ロット番号、管理番号 ブランド、商品名
バリエーション(品番、形式、色柄、仕上げ、付属品の有無……)
購入元、納入先
撮影方法に関するタグ 部位(外観、内部……)
方向(正面から撮影、上から撮影……)
撮影業務に関するタグ 撮影理由(出荷記録、受け入れ検査……)
処置(問題なし、修正依頼済み……)
その他のタグ 責任者(氏名、社員番号)
連絡先
コメント

「PhotoBook」には、「リスト表示」・「アイコン表示」・「画像表示」の3とおりの表示方法を用意。写真の管理が簡単にできます。


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「PhotoBook」には、複数の条件が使える多段の並べ替え機能と絞り込み機能を搭載。目的の写真がすぐに見つかります。

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